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水城一狼



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アルバムリスト

水城一狼

番場の忠太郎

作詞:藤間哲郎
作曲:桜田誠一

「旅の鳥でも烏でも母の乳房が忘られず、せめてひと目と面影を、
瞼に描いて旅の空、たづね歩いて十五年。どこにどうしていなさるか。
逢いてえ。」

姿やくざな 番場の鳥も
人の顔見りゃ 涙ぐせ
生きておいでか お達者か
昔恋しい 母の顔

「ア? その顔は? おかみさんは覚(おぼ)えがあるんだ。
所は江州馬場宿(しゅく)で、六代続いた旅籠(はたご)渡世(とせい)
の置長屋(おきながや)。あんたがそこへ嫁(かた)づいて生んだ子が、
あっしでござんす。忠太郎でござんす。お母さん
ええ?人違いだと仰っしゃるんでござんすか」
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来てはいけない 水熊横丁
愚痴じゃないけど なんで来た
親と名乗れず 子と言えず
これも浮世の 罪とやら

「そうでござんすか………瞼と瞼をピッタリ合わせ、
じっとこうして考えてりゃア、いつでもどこでも瞼の底に、
母の姿が浮んで来るんだ。それでいいんだ。
逢いたくなったら眼をつぶらア………」

呼んで呉れるな 情の声よ
河原すすきも とめたがる
どこへ飛ぼうと 忠太郎
母は瞼に 御座います