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中島みゆき



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中島みゆき

傾斜

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

傾斜10度の坂道を
腰の曲がった老婆が 少しずつのぼってゆく
紫色の風呂敷包みは
また少しまた少し 重くなったようだ
彼女の自慢だった足は
うすい草履の上で 横すべり横すべり
のぼれども のぼれども
どこへも着きはしない そんな気がしてくるようだ

冬から春へと坂を降り 夏から夜へと坂を降り
愛から冬へと人づたい
のぼりの傾斜は けわしくなるばかり

としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか
悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか

息が苦しいのは きっと彼女が
出がけにしめた帯がきつすぎたのだろう
息子が彼女に邪険にするのは
きっと彼女が女房に似ているからだろう
もっと沢山の歌詞は ※ Mojim.com
あの子にどれだけやさしくしたかと
思い出すほど あの子は他人でもない
みせつけがましいと言われて
抜きすぎた白髪の残りはあと少し

誰かの娘が坂を降り 誰かの女が坂を降り
愛から夜へと人づたい
のぼりの傾斜は けわしくなるばかり

としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか
悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか

冬から春へと坂を降り 夏から夜へと坂を降り
愛から冬へと人づたい
のぼりの傾斜は けわしくなるばかり

としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか
悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか